27卒の就活経験者200名調査:78.5% が生成AIを利用、応募・内定承諾の判断でも回答を参照

この記事の要約
- 調査対象の 27 卒の新卒就活経験者 200 名のうち、78.5% が生成 AI を利用していました。
- 生成 AI 利用者 157 名のうち、77.7% が応募判断で、69.4% が内定承諾の判断で AI の回答を参考にしていました。
- 企業には、AI が自社の評判をどう伝えているかを把握し、情報の改善につなげる視点が求められます。AI Score は、採用に関わる AI 回答の追跡と対応状況の管理を支援します。
就職活動を経験した 2027 年卒業予定の学生 200 名を対象に、生成 AI サービスの利用についてアンケートを実施しました。
回答者の約 8 割が生成 AI を利用。企業研究にも活用
就職活動で生成 AI を利用した回答者は全体の 78.5% でした。「生成 AI サービスを利用していない」と答えた人は 21.5% です。
利用用途で最も多かったのは、「エントリーシートなどの作成アシスタント」の 51.5% でした。「企業情報収集・企業研究」も 36.5% が選択しており、応募書類の作成だけでなく、企業を調べる段階でも生成 AI が使われています。

採用担当者にとっては、AI の利用を一括りにせず、応募書類の作成支援と企業情報の収集を分けて捉えることが大切です。企業研究をする学生に向けては、仕事内容や求める役割を具体的に示し、自分の経験や希望と照らし合わせられる情報を用意することが対応の一つと考えられます。
応募判断で 77.7%、内定承諾判断で 69.4% が AI の回答を参考に
企業に応募するかどうかを判断する際、AI の回答を参考にした人は、生成 AI 利用者の 77.7% でした。内定を承諾するかどうかの判断でも、69.4% が AI の回答を参考にしていました。
「参考にした」は、「重要な判断材料の一つにした」と「参考にしたが、重要な判断材料にはしなかった」の合計です。このうち「重要な判断材料の一つにした」と答えた人は、生成 AI 利用者全体に対して、応募判断で 33.1%、内定承諾判断で 26.8% でした。

今回の調査から、生成 AI を利用する就活生の多くが、応募・内定承諾という重要な判断の場面ですでに AI の回答を参考にしていることが分かります。AI の回答は、応募書類の作成や企業研究を支援するだけでなく、応募先や入社先を検討する際の判断材料にもなっています。
こうした場面で AI が自社の悪い口コミや否定的な評判を提示していれば、学生が応募や入社をためらう可能性があります。応募の見送りや内定辞退につながれば、企業にとっては大きな採用機会の損失になり得ます。特に、古い情報や一部の口コミが会社全体の特徴として伝わっている場合には、実態と異なる認識のまま候補から外されるリスクがあります。
そのため、採用担当者には、応募や内定承諾を検討する学生に対して AI がどのような回答をしているのかを把握することが必要です。仕事内容や待遇の説明に加え、社風や働きやすさについてどのような評判が示され、その根拠が何かを確認します。事実と異なる説明には公開情報の整備で対応し、実態に基づく指摘には職場環境や制度の改善を検討するなど、回答の内容に応じた対応につなげることが重要だと考えます。
参考にした内容は、仕事内容から待遇・口コミ・社風まで
学生が参考にした AI の回答に、企業についてどのような情報が含まれていたかを尋ねました(複数回答)。最も多かったのは「事業内容・仕事内容」の 32.5% で、次いで「給与・福利厚生・勤務条件」が 24.8%、「口コミ・評判・報道」が 22.9% でした。学生は、企業の事業や仕事内容に加え、待遇や評判についても AI の回答を参考にしていることが分かります。

仕事内容や待遇に加え、「自分とその企業との相性」は 16.6%、「その企業と他の企業との比較」は 15.9% でした。AI の回答は、企業の基本情報を知るためだけでなく、自分との適合や選択肢の違いを考える際の材料にもなっていると読み取れます。ただし、各内容を学生がどの程度重視したかは、この設問では分かりません。
この結果を踏まえると、企業が確認する対象は口コミや否定的な評判だけではありません。仕事内容・勤務条件などの事実と、社風・相性などの評価の両方を確認することが重要です。前者は募集要項や制度の適用条件と照合し、後者は回答の根拠や前後の文脈を読んで、特定の部署・職種の事情が会社全体の特徴として説明されていないかなどを確かめることが考えられます。
採用広報には、AI が自社をどう説明しているかを確かめる視点を
今回の結果から、企業の採用広報では、学生が参照する情報の一つとして AI の回答を把握する必要があると考えます。AI の回答に現れる自社への説明や評価を継続して確認し、必要な対応につなげる取り組みが「AI レピュテーション管理」です。
例えば、AI が「残業が多い」「上司に相談しにくい」といった悪い口コミを拾い、自社の働きやすさを説明する場面が考えられます。その回答を読んだ学生が、応募や内定承諾に不安を抱く可能性もあります。企業側は、どの口コミがどのような文脈で取り上げられているかを確認し、現場の実態と照合して、情報発信で補うべき点と実際に改善が必要な課題を検討します。
学生の企業選びを想定した質問で、回答を確認する
確認する質問は、事業内容、待遇、働きやすさなど、今回の調査で挙がったテーマから組み立てられます。例えば、次のような質問が考えられます。
- 「〇〇社の事業内容と、新卒で担当する仕事を教えてください」
- 「〇〇社の給与・福利厚生・勤務条件を教えてください」
- 「〇〇社の社風や働きやすさについて、どのような評判がありますか」
- 「〇〇社と△△社について、新卒の就職先としての特徴を比較してください」
回答と根拠を照合し、公開情報や実態の改善につなげる
回答に気になる記述があれば、前後の文脈と、提示されている場合は引用元を確認します。そのうえで、募集要項や就業制度、現場の状況などと照合し、対応が必要かを判断します。
例えば、残業に関する悪い口コミが引用されている場合には、投稿時期や対象の部署・職種を確認し、一部の経験が会社全体の特徴として説明されていないかを確かめます。実態との食い違いや説明の不足があれば、採用ページなどで部署・職種ごとの勤務実態や改善の取り組みを、根拠とともに示すことが対応の一つです。口コミが現在の課題を指摘している場合には、情報発信だけでなく、制度や職場環境そのものの改善を検討します。
Google も、同社の AI 検索機能に向けた基本事項として、信頼できる有用なコンテンツを作ることや、重要な情報をテキストで提示することを挙げています。採用情報を整備する際にも参考になる考え方です。Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」
対応後は、同じ質問への回答を継続して確認します。公開情報の更新で AI の回答が変わることは保証されないため、何を更新したかと、その後にどのような説明が現れたかを分けて記録する必要があります。
AI Score は、採用に関わる AI の回答の追跡と改善活動を支援します
AI Score は、AI 検索での企業・ブランドの見え方を分析するサービスです。レピュテーション管理機能では、求職者が自社について尋ねる場面を想定した質問を登録し、AI の回答を計測できます。
- 自社の仕事内容や働き方など、登録した質問への AI 回答を確認する
- 注意が必要な記述の原文や、計測時に取得できた引用元を確認する
- 問題ごとに対応状況を記録し、その後の計測で同じ説明が現れるか、解消後に再出現していないかを追跡する
採用ページやよくある質問の更新など、担当者が行う改善活動を、回答の把握と対応後の継続的な計測によって支援します。
具体的な利用方法は、AI レピュテーション管理の紹介ページをご覧ください。無料のスキャンから始められます。継続的な定期計測には有料プランが必要です。提供条件は料金プランで確認できます。
まとめ
今回の調査では、就職活動で生成 AI を利用した人は 78.5% でした。利用者の 77.7% が応募判断で、69.4% が内定承諾の判断で AI の回答を参考にしていました。生成 AI を利用する就活生の多くが、応募先や入社先を決める重要な場面で、すでに AI の回答を判断材料の一つにしていることが分かります。
だからこそ、企業にとっては、採用サイトや説明会で自ら伝えている内容に加え、AI が学生に自社について何を伝えているかを確認することが重要です。仕事内容や待遇、社風や口コミがどう説明されているかを把握し、根拠や実態と照合したうえで、必要な情報の更新や職場環境の改善につなげます。学生が重要な判断をする場面で自社がどう見えているかを継続して確かめることが、採用における AI レピュテーション管理の出発点です。
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査テーマ | 就職活動における生成 AI サービスの利用 |
| 調査対象 | 2027 年卒業予定で、就職活動をおこなったことがある学生 |
| 回答数 | 200 名 |
| 調査期間 | 2026 年 9 月 30 日〜10 月 3 日 |
| 調査方法 | インターネット調査 |
参考
- 本調査「就職活動における生成 AI サービス利用に関するアンケート」(2026 年 9 月 30 日〜10 月 3 日、回答者 200 名)の個票データを集計
- Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」
- AI Score「AI レピュテーション管理」
この記事の著者
AI Score AIマーケティング部
AI Score は、ChatGPT・Gemini などの AI 検索エンジンでのブランドの可視性を計測し、競合比較と改善アクションを提示する分析サービスです。「AI時代のデジタルマーケティング」をテーマに情報発信を行っています。
この記事の監修者
飯塚 祐世
株式会社スタルジー 代表取締役 / AI Score 監修
SEOコンサルタントとして、金融・医療・不動産・エネルギーなど幅広い業界の大手企業・上場企業のオウンドメディアを支援。検索エンジン評価の分析にもとづくコンテンツ戦略設計から、記事品質管理、テクニカルSEOまでを一貫して手がけ、これまでに支援したメディアは累計50サイト以上。生成AIの普及による検索行動の変化にいち早く着目し、AI検索エンジンでのブランド可視性を計測・改善するGEO(生成エンジン最適化)の方法論を体系化。その知見をもとにAI Scoreのプロダクト設計を監修している。